子供に早く言葉を覚えてほしい、そう思うことってありますよね。
そこで、今回は3歳までの子供を対象に言語習得を加速させる方法をまとめてみました。
なお、ここで言う言語習得は、①ひらがなやカタカナ、漢字そして数字が読めるようになること、②人の話をちゃんと聞けるようになること、③豊富な語彙力で人に話ができること、④文字が書けるようになること、以上の4つのことを指します。
0〜3歳の時期は言語習得にとって最も大事な時期です。
ぜひ皆さんの参考になれば嬉しいです。
はじめに
はじめに、誤解のないようにお伝えしておきますが、今回の趣旨は3歳までに文字を言語をマスターさせようというものではありません。
後に言語が飛躍的に伸びる種巻きをしましょう、というのが今回の趣旨になります。
3歳までは知育よりも愛情をたっぷり与えて、心を育てることのが大事な時期です。
親が知育ばかりの頭になってしまって、子供と接するのは非常に危険です。
それを念頭に置いて、0〜3歳の間にやっておくと良いことをご紹介したいと思います。
なぜ言語をしっかり行うのが大切なのか
まず、なぜ言語習得をしっかりとやっていくのが大切なのかをお伝えしておきます。
子供の言語習得に力を入れるということは、最も効果の高い知育であることは間違いありません。
子供たちはこれから学んでいくことを全て言葉を通じて教わり、言葉を通じて自分を表現していきます。
言語習得を早めるということは、多くのメリットがあります。
幼児期において早くコミュニケーションが取れるようになることで、親が行う躾であったり、子供への知育や教育がしやすくなったりします。
また、子供は自分の感情を言葉でうまく伝えられることで、自分の心が安定させることができ、その結果、癇癪なども起こしにくくなるということに繋がっていきます。
小学生の時期においては、最初のスタートダッシュを切るために言葉を育てておくとことがとても大切です。
言語習得がちゃんとできていれば、人の話を聞いて理解できるため、あらゆる勉強の習得に大きな差が出てきます
言語力はどの教科でも土台になります。
算数だろうが、理科だろうが、問われてることが理解できなかったり、文章が読めなかったりしたら戦えませんし、先生が説明することを理解できなかったら、習熟が進んでいかないのは間違いありません。
人の話を理解して、自分の考えを言葉で伝える力が乏しくては、授業にうまく参加できなくもなってしまいます。
そして、小学校1年生の時に勉強ができたと感じることができるかどうかは、今後の勉強への意欲に大きな影響が出ます。
幼児期から言語力をしっかりと伸ばしておいて先生の言ってることがわかり、勉強ができて楽しい!となっていくことが、言語習得を加速させる大きな目標の一つになると思っています。
最初に自信がつけば、子供は自分の力でぐんぐん伸びていってくれます。
前置きが長くなってしまいましたが、次から言語習得を加速させるためにすべきことを紹介していきます。
ひらがな表
早いうちから家にひらがな表を、次にカタカナ、漢字、数字、アルファベット表など、これから覚えてほしい文字の情報を貼っておくことをおすすめします。
子供は耳からもそうですが、目からも自然と文字習得を進めています。
理解できるかできないかではなく、目につくところに文字があるだけで言語習得の助けになります。
とりあえず、貼っておくだけでもいいので、やらないのはもったいないですよ。
なお、漢字に関しては小学校低学年で習う漢字の一覧などを貼っておけばいいかなと思ってます。
漢字の成り立ちまで一緒に書いてあるものだと、さらにいいですね。
オウム返し
生後4ヶ月くらいを過ぎると、赤ちゃんはあーとか、まーなどの声、すなわち喃語を出すようになっていきます。
この喃語を親が赤ちゃんの真似をして、遊んであげましょう。
最初はオウム返しのように、赤ちゃんの言葉を真似すると、赤ちゃんも繰り返し発音するようになります。
そのうち、赤ちゃんの喃語から何が言いたいのか、理解できるようになってきます。
例えば、赤ちゃんが「まー」と言ったら「まーまー、ね」と言って、お母さんが自分を指差すなどして、喃語を意味ある言葉に関連づけていくようにしていきましょう。
繰り返し続けてあげることが大切です。
CD耳学習
ひらがなとかABCを歌って覚えるということです。
幼児期の子供の耳学習の効果は凄まじいです。
0歳の早いうちからひらがなの歌やABCの歌を購入して家で流すようにしましょう。
ずっと流し続けてなくても1日30分流すだけでも効果は出てきます。
子供が1歳以降は時折壁に張ってあるひらがな表を指差しながら歌を聴いていったり、一緒に歌ったりしていくと、さらに習得が進んでいきます。
僕の実体験ですが、長男はABCの歌がお気に入りでABCの歌ばかり流していたら、ひらがなより先にアルファベットを覚えてしまったくらいです。
言葉直し
赤ちゃんの言葉や幼児言葉って本当に可愛いですが、そのまま使い続けると、もう1度正しい言葉を覚えさせなくてはいけなくなります。
幼児期に覚えた言葉はなかなか直しづらく、小学生になって結構苦労する子もます。
なので、10ヶ月目ぐらいからは赤ちゃんに対して、赤ちゃん言葉ではなく正しい言葉を使うように言葉直しを行っていきましょう。
例えば、赤ちゃんが「うまうま」と言ったとします 親はご飯のことと言っているのだとわかったら、 まんまねとは言わずにご飯でと言うようにします。
その時に、口を大きくゆっくり動かしながら、ごはんというふうに、あの口の動きを赤ちゃんに見せてあげると、言語習得が早くなっていきます。
そして、2歳くらいからは一語を二語に分けてあげるようにしましょう。
例えば、子供が「お外」と言ったら「外に行く」と言い替えたり、「リンゴ」と言ったら「リンゴ食べる」と親が言い直してあげます。
これを繰り返すことで二語以上を使えるようになっていきます。
かるた遊び
かるた遊びも言語習得を加速させるのに役立ちます。
ひらがな表の文字を認識して自分から『あ』とかを指差しして言えるようになってきたら、床にかるたをバラバラに置いて、『あ』はどれかな?と探させましょう。
楽しく、ひらがなや、カタカナの練習ができますよ。
かるたでなくても、例えば、ひらがなが書いてあるブロックとかでも全然大丈夫です。
握力トレーニング
握力トレーニングは見落としがちですが、実はすごく重要です。
0歳〜3歳の間に言語習得の種巻きをして、3歳以降は書く練習が徐々に始まっていきます。
その時につまずいてしまう1番の理由が、握力が足らなくて鉛筆をコントロールできないということです。
こうなってしまうと文字を書く工程がうまく進んでいかず、もったいない状況になってしまいます。
なので、次のことを1歳くらいからやっていって、握力をトレーニングしていきましょう。
・新聞遊び
・粘土遊び
・紙飛行機飛ばし
新聞紙遊びは、新聞紙を渡して、ひたすらぐちゃぐちゃに丸めるようにして、遊べばオッケーです。
最初は、親がこうぐちゃぐちゃにする見本を見せてあげると、子供も同じ動きを真似してくれます。
新聞を握ることで、握力が鍛えられてきますね。
慣れてきたら新聞紙であのぐるぐる丸めてボールを作って投げて遊ぶのもいいと思います
粘土遊びは、イメージ通りの遊び方でオッケーです。
形を作ることで握力がしっかりと鍛えられていきます。
紙飛行機飛ばしは、紙飛行機と鉛筆の持ち方は同じような持ち方をしますので、鉛筆を持つ時の握力にダイレクトに繋がっていきます。
たくさん遊んで、握力を鍛えていきましょう。
おままごと
おままごとも言葉を発達させるには良いトレーニングです。
1歳くらいから、なるべく日常のシチュエーションに近い状況を作って、おままごとをしましょう。
その中でぜひ教えていって欲しいのは挨拶やマナーです。
ご飯を作ってもらったら、ありがとう。食べる時はいただきます。のように、日常の中の正しい言葉をちゃんとおままごとの中で、使うことを意識しましょう。
子供が正しい言葉を習得できる楽しい雰囲気を作りながら遊んでいくといいと思います。
いろんな人と会話させる
これは、幼少期から様々な人とのコミュニケーションを取る機会を作りましょうということです。
言語発達を考えると、どうしても親が子供のために何をしてあげるか、という目線になりがちです。
その中で、幼少期から様々な人とコミュニケーションを取る機会を与えて、コミュニケーションの楽しさを教えていくことは、言語発達を加速させるためにはとても大切な要素です。
この取り組みの目的は、コミュニケーションを恐れない心を育てることと、コミュニケーションが好きになることです。
子供同士もそうですが、大人の場に子供を積極的に連れて行って、どんな場所でも自分を表現できる心を育てていきましょう。
線書き練習
幼児期には文字を書く練習として線書きの練習をしておくと良いと思います。
これは、お絵描きや塗り絵の延長線上の遊びとしてやっていってほしいと思います。
市販されている線を書く練習ができるテキストを買ってやってもいいですし、図形をなぞるようなプリントをネットから落として使ってもいいと思います。
直線、三角形、正方形、円など、特に直線を書く練習は大事です。
これをしっかりと、自分で鉛筆をコントロールして書けるように練習していきましょう。
これは何遊び
2歳くらいからは、これは何?何に使うもの?と意識して子供に問いかけて説明させていきましょう。
これができるようになるには語彙力が必要なので、最初からうまくいくことを求めずに繰り返しチャレンジしていきましょう。
子供が答えられなかったら親が〇〇だよと教えてあげて、また時間を空けて、同じ質問をしてみましょう。
これをしっかりと繰り返すことで1つ1つ言葉を覚えていき、ぐんぐん語彙力が伸びていきます。
電話ごっこ
これは個人的に質の高い遊びだと思っています。
2歳くらいになって二語分以上が話せるようになってきたら、電話ごっこで遊んでみましょう。
使わなくなった携帯電話を使ったり、工作で電話とかスマホを作ってみたりして、それを使ってお母さんやお父さんと会話をする遊びをしましょう。
おままごとと違って、言葉だけで自分の状況を伝えなくてはいけない遊びなので、言葉を工夫して使うようになります。
最初は難しいですが、どんどん上手になる子供から成長を感じられる遊びです。
「あ」がつくもの探しゲーム
これも子供と一緒にやると面白い遊びです。
子供がひらがなを認識できるようになってきたら、今日一日『あ』で始まるものを探してみようね、と子供に伝えて、あから始まるものを探してみてください。
親も一緒に取り組んで、見つけたらお互い報告し合います。
文字とモノを結びつける良い遊びになります。
絵本の読み聞かせ
絵本の読み聞かせはやはり大切です。
絵本の重要性は皆さんご存知かと思いますが、絵本が子供の言語、発達の土台になることは間違いありません。
読み聞かせは、生まれた時から始めてオッケーです。
まだ言葉がわからないから読まないのではなく、愛情を伝えるつもりで読んであげてほしいです。
毎日5〜10冊を目標にできるといいですね。
1歳くらいになったら、読んであげた絵本の内容を子供に聞いて言わせましょう。
これは記憶力を高めることにも繋がります。
1歳くらいからは、しつけの本を必ず読んであげてほしいと思います。
特に、良い言葉を題材にした絵本はおすすめです。
おはようございます、こんにちは、こんばんは、さようなら、おやすみなさい、ありがとうございます、ごめんなさい、いただきます、ごちそうさま、などをテーマに書いてある本がたくさんありますので、読み聞かせてあげると、後に正しい言葉をちゃんと使える種巻きになります。
2歳くらいからは、文字を指で追いながらゆっくり読んであげることも大切です。
ページをめくるときに、次はどうなるかな?と聞いて子供に答えさせたり、どうしてこんなことをしちゃったのかな?と登場人物の気持ちを考えさせたりしていく、言語の発達にさらに繋がります。
また、2歳くらいから買う本は子供と一緒に選んでみましょう。
そして、なるべくどこへ行く時にも本を持ち歩いて、常に読んであげられる状況が作れるといいですね。
読むタイミングは様々でいいと思います。
ですが、寝る前のタイミングはなるべく欠かさない方が良いと思います。
脳は寝てる時に知識を定着させますから、寝る前が1番学習効果が高いと言われています。
寝る前は時間を気にしないでいいので、落ち着いて読めるというのもいいですよね。
言葉のシャワー
言葉のシャワーは絵本と並んで言語発達にとって超重要です。
言葉のシャワーとはどういうことかというと、親が子供にたくさんの言葉をかけてあげて、たくさんの言葉を教えてあげるということです。
子供は親の言葉を吸収して、言葉を覚えていきます。
それは子供に対して伝えた言葉でも、他にも家族に向けた言葉でも全く同じです。
子供の耳から入る言葉は、全てシャワーのように子供に降り注ぎ、それを子供は全て吸収していきます。
なので、まず重要なのは、親が言葉を見直すってことです。
親であるあなたは、子供に将来使ってほしい言葉を常に心がけてください。
汚い言葉や、マイナスな言葉はなるべく使わず、綺麗で、プラスの言葉を心がけることで、子供が将来いい言葉をたくさん使えるようになります。
大人が単語族にならない
大人が単語族にならない事も、とても重要です。
単語族とは、例えばメシ、風呂というように、単語だけで会話を進めてしまう状態のことです。
ご飯はもうできてる? お風呂は入れる?というように、文章で会話をしましょう。
さらに、主語と術語を意識して、大人が話せると最高です。
例えば、お散歩をしてる時に、猫が日向ぼっこをしていたとします。
親は可愛いねと言うのではなく「猫が日向ぼっこをしていて可愛いね」と言うようにします。
このように、主語と述語をちゃんと意識した質の高い文章を親が話していると、子供も単語だけの会話から早く卒業することができます。
さいごに
以上が言語発達を加速させるために0歳から3歳までにすべき取り組み15選です。
もちろん、言葉はこれらを意識しなくても発達はしていきます。
しかし、今回紹介したことをちゃんとやっていくと子供が言葉を習得するスピードがぐっと早くなって、さらに、質の高い言葉を使えるようになります。
冒頭にお伝えした通り、就学してからの勉強にも差が出てきます。
ぜひ1つ1つ、できることからで構いませんので、子供のために実践してみてあげてほしいと思います。